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名誉毀損裁判経過報告

目次

1:事案の概要
2:裁判の経過

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1: 事案の概要

 本件は、日本医大及び同大学形成外科のA医師が、同大学に勤務していた郡家正彦医師によって名誉又は信用が毀損されたとして、同医師に対し損害賠償の請求訴訟を起こしたものです。訴訟に至る経過は以下のとおりです。

【1997(平成9)年】
12月 8日 患者(当時20才)が河川敷で受傷。地元の病院で、下顎骨骨折などの診断、同病院に入院
12月 9日

同病院に来ていた日本医大A医師の診断で、同医大付属病院で整復固定手術を受けることに決定

12月11日 患者、日本医大付属病院に転院
12月15日

A医師の執刀で下顎骨の骨折2カ所の整復手術(第1助手郡家医師、第2助手O医師)。郡家医師が手術中にKワイヤーが脳内に刺入したことを目撃し、それを指摘したが、A医師はそれを否定した。(但し、A医師はその事実を否定している)術後間もなく高熱、乏尿、無尿などの症状。感染症を発症

12月17日

午前9時ころCT撮影。午後6時51分、患者死亡。死因は「DICによる多臓器不全」との説明。その際、脳内刺入などの事実は一切話されなかった。

【2000(平成12)年】
7月18日 郡家医師が患者の遺族と再会。Kワイヤーの脳内刺入の事実を伏せた等を告白し、謝罪する。
12月27日 遺族の申立により日本医大病院で証拠保全手続き実施
【2001(平成13)年】
1月22日 読売新聞が報道。日本医大が記者会見。遺族も記者会見
2月 7日 郡家医師が記者会見
5月17日 遺族が提訴(医療過誤訴訟、請求1億600万円)
12月26日 日本医大とA医師が提訴(名誉毀損訴訟、請求計1億3000万円)

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2:裁判の経過

 裁判では、ワイヤーが脳内に刺入する事故があったかどうかが最大の争点になりました。そして、手術中に撮られた術中レントゲン写真(正面・側面)、術後2日目に撮られた脳CT写真から、脳内刺入はあったと読影するか、なかったと読影するかが問題となりました。

 2004(平成16)年7月26日、東京地方裁判所は、Kワイヤーの脳内刺入について「Kワイヤーは脳内に刺入していない。」と認定した上で、但し、そう信じたことには相当な理由があるとして日本医大等の請求を棄却する判決を言い渡しました。

 2005(平成17)年11月9日、東京高等裁判所は、「Kワイヤーは脳内に刺入していない。」とした上で、そう信じたことに相当な理由もないと認定して、日本医大等の請求を認める判決を言い渡しました。

 当然ながら郡家医師は上告しました。脳のレントゲンやCTの学者・専門家にレントゲン写真やCTを送り意見を求めたところ、36人から回答があり、その大半が脳内に刺入していると指摘しました。これも提出しましたが、最高裁は本年7月6日、実質的な審理をすることなく、上告を棄却し、高裁の判決が確定しました。やむなく、郡家医師は、日本医大とA医師に合計約700万円の支払いをしました。

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